今回は、「ホタル」の生息する公園である座間谷戸山公園と四季の森公園について、ホタルの保全活動を行っている団体等に、活動内容や園内のホタルの紹介をしてもらいました!
「座間谷戸山公園の象徴(シンボル) ホタル」
紹介してくれた方
座間のホタルを守る会 座間谷戸山公園リーダー
脇田 信雄 様(座間のホタルを守る会 事務局長)
脇田 信雄 様(座間のホタルを守る会 事務局長)
「座間のホタルを守る会」について
「座間のホタルを守る会」は2003年に座間市内の残されたホタル自生地の保護を目的に発足した団体で、その自生地のひとつ座間谷戸山公園で保護活動を行っています。現在、会員46名で、市内5箇所(自生地2箇所・復活取組地3箇所)で活動を行っています。
座間谷戸山公園での活動について
1993年に開園した座間谷戸山公園は、里山の自然環境を生かした都市公園で、当時の建設省が「アーバンエコロジーパーク」(自然生態観察公園)として位置付けた公園でした。しかし、2000年に入ると、園内のゲンジボタルの生息数が減少し、生息環境の保全が必要となりました。当時、会員のほとんどがホタルの生息環境の保全について知識のないなか、横須賀市博物館の学芸員の助言をもらいながら活動を行うことにしました。
この公園には「谷戸山憲章」が制定されており、動植物の「持ち込みと持ち出しの禁止」がうたわれています。当会はそれを理解しながら、ホタルの生息環境を守ると共に、ホタルの幼虫のエサとなるカワニナの生息環境も必須になるため、水路の流れが滞らないようにする一方で、途中に堰を入れて入り江(たまり場)を作る作業や、水路を覆う植物の草刈り枝木の剪定を月に2回行っています。
水路の流れの手入れ作業
作業途中の休憩時間
一時ホタルの数は30頭前後でしたが、当会が活動するようになって徐々に回復して、現在80~100頭程度に回復しています。毎年その生息数が維持できているかは、その年の気候(雨量、気温など)が影響しますから、毎年5月下旬になるといつホタルが飛び出すか気が気ではありません。座間谷戸山公園の気温は周囲より幾分低いので、6月中旬頃が生息最盛期で、田んぼから湿生生態園周りとわきみずの谷周囲のホタルがまとまって飛ぶエリアです。
当会は週2回ほどの頻度で、わきみずの谷から湿生生態園・田んぼ周りでホタル生息数をカウントしています。また、公園主催のホタル観賞会でこどもとその保護者を対象にガイドを行っており、ホタルの不思議、生態、観察マナーなどを説明しています。最近は大人気で25名募集したところ、1100名の応募があり抽選となりました。こどもも大人も感動している姿を見ると、嬉しく、遣り甲斐を感じます。
当会は、いつまでもゲンジホタルが見られるようにと願いながら活動を続けております。里山の象徴、座間谷戸山公園のシンボルを、次の世代へと引き継いでいきたいと願っております。
わきみずの谷で「ホタルの一生」について説明
<座間のホタルを守る会会員・川内輝彦さん撮影・提供 ホタル飛翔写真>
四季の森公園のホタル
横浜市内に位置する四季の森公園は、座間谷戸山公園と同じように都市部に里山の風景を残す風致公園で、入り組んだ谷戸の地形にいくつもの水路や湿地があります。そこにはゲンジボタルやヘイケボタルが生息しており、中でも少し開けた場所のあし原湿原やしょうぶ園周辺などに多く見られます。現在、当公園では、座間谷戸山公園のようなホタルの保全・保護活動を行う団体がいないため、主に公園スタッフが管理作業の中で水路清掃などの環境整備を行っていますが、園内の湧水量が比較的豊富で、年間を通して一定量流れていることもあってか、ホタルの頭数は何とか維持できています。
ホタルが飛ぶ時期には、スタッフが園内を巡回し、ホタルの頭数と来園者の人数を両手でカウントしています。また、ホタルが飛ぶ場所の近くにあるトイレに遮光カーテンを設置し、明かりがホタルの会話を妨げないような工夫もしています。
この貴重なホタルの生息場所を次世代にまで引き継げるよう、これからも愛情をもって取り組んでいきたいと思います。皆様のご来園をお待ちしております。
早春のあし原湿原
水路の清掃作業
推し体験
ゲンジボタルが最盛期を迎える6月中旬頃には、駐車場を夜間まで延長して開放しており、大変多くの来園者で賑わいます。飛び交うホタルの光はとても幻想的で心が癒されます。園内は暗くなっておりますので、足元には十分お気をつけいただき、素敵なホタルの夕べをお楽しみください。
※四季の森公園は、2025年6月7日㈯~15日㈰の期間、駐車場を20:50まで開放します(最終入場は20:00まで)。
※座間谷戸山公園は、6月の駐車場(北入口、東入口)の利用時間は21:00までとなっています。
ホタルとともに見頃を迎えたしょうぶ園
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