市民と一緒に公園の歴史を紐解く【津久井湖城山公園】

2025年10月7日火曜日

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 紹介してくれた方

齊藤真一さん(相模原市教育委員会文化財課)

 津久井湖城山公園の推しスポット・推し体験として、園内で「津久井城市民調査グループ」を率いて津久井城市民協働調査を担当されている齊藤真一さんからお話を伺いました。

津久井城市民協働調査とは

公園の大部分を占める城山は、戦国時代に小田原北条氏の有力支城「津久井城」として機能していました。その歴史を知り学び、地域の資源として活用し、また公園の整備・管理運営に活かすため、平成22年に相模原市教育委員会文化財課、相模原市立博物館、そして公園の指定管理者である(公財)神奈川県公園協会が手を組み、それぞれのボランティアから有志を募って「津久井城市民調査グループ」を組織しました。現在37名が所属しています。全国的にみても、このような市民ボランティアが主体の体制で毎年発掘調査を行っている例はとても稀だと思いますよ。

公園施設での活動

津久井城市民調査グループは月に1回、研修を行っています。研修は城山に実際に登って津久井城を体感したり、座学で戦国時代の文化や発掘調査成果を学んだり、他のお城を視察に行ったり、遺構を測量する技術、発掘調査の技術を実地で習得したりと様々です。年間を通して学んだことを活かして、11月に公園内で実際に発掘調査を行います。発掘調査は約1か月間続きます。その成果を毎年1123日の公園のお祭り「宝ヶ峰の里祭り」と同時開催の発掘調査現地説明会でお披露目しています。現地説明会には毎回たくさんの方が訪れてくださり、津久井城の魅力や発掘調査の面白さを公園利用者に伝える良い機会となっています。また、調査で得た成果は相模原市立博物館やパークセンターで展示されるほか、全国規模の展示会「お城EXPO」に出展して全国の方にも津久井城とその調査を知ってもらっています。

 津久井城伝承地めぐり研修

推し体験「市民協働発掘調査」

 11月初旬から末にかけての平日、10時から15時まで園内で発掘調査を行っています。実施中の見学は可能ですので、ぜひ見に来てください。近年はパークセンターから歩いて7分ほどの、森のステージがある周辺で発掘調査を行っています。近くでは池をともなう庭園をこの市民協働調査で発見しており、それに付随する建物施設があるのではないかと推察しているところです。発掘調査の様子などは普段あまり見る機会がないと思うので、公園に遊びに来たついでに立ち寄るのもおススメです。毎年1123日の現地説明会では、出土遺物の展示もしていますので、この日にあわせて来るのもいいですね。神奈川県内の公園で毎年発掘調査を見られるのはこの公園くらいだと思いますよ。また、津久井城市民調査グループの一員として調査に参加してみたい方はぜひお声がけください。歓迎します。発掘調査中はおやつタイムもありますよ(笑)

津久井城市民協働発掘調査

 推しスポット「根小屋地区の曲輪群」

公園の根小屋地区には、たくさんの曲輪(くるわ)があります。曲輪とは津久井城のような山城においては、山の斜面を造作して平らにならした場所のことで、その地形は現代でもみてとることができます。根小屋地区は戦国時代には城主が居館を構えていた「御屋敷曲輪」と、それを取り囲むようにしていくつもの曲輪があります。公園パークセンターにはわかりやすい模型や解説パネルもあるので、予備知識を入れた上で公園を散策すると、普段の景色に戦国時代の津久井城が浮かび上がるかも!そんな気持ちで根小屋地区を歩いてみると、面白いと思います!

根小屋地区の曲輪群

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